職場に学校づくりの教育論議を!教育研究
07年度 宇治久世 夏の教研 基調 07/8/25
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教育課程は各教室で実践される …
職場に学校づくりの教育論議を!
宇治久世教組・教文部長 東 辰也
◇ 仲間を広げ、教育現場の視界を開くために、原点に立ち返った議論を
子どもたちのしんどさや様々な忙しさの中でたいへんな思いをしている教職員がたくさんいます。しかし、そのたいへんさは、どんな学校(職場)にするか、どんな教育をするか、という「学校づくり(職場作り)」の議論と職場の共通認識(意思統一)、そしてその具体的な実践なしには乗り越えられません。その先頭や中心に立って、私たち教職員組合がどんな働きをするのかが、今問われています。その姿が父母や職場のみんなに見えたとき、仲間も広がり、教育現場の視界も開けてくるのではないでしょうか。
さて、そのような中で教文の分野でぜひ議論を深めてもらいたいと日頃願っていることを3点あげました。各職場やそれぞれの方の現状に合わせて受け止めていただき、秋の教研の議論につなげてくださることを望みます。
◇ その1 子どもを中心にした 学校づくり・授業を考えよう
06年の教育基本法「改正」のもとで中教審・教育課程部会「審議会報告」(06年2月)に基づき新学習指導要領が作成されつつあります。そして、「各校」では学習指導要領に基づいて教育課程が編成されます。… しかし、実際はどうでしょうか。学校みんなで教育課程づくりをしている実感があるでしょうか。また、教科書どおりの学習と市販のドリル練習、市販テストによる評価に頼らざるを得ない実態が広がっている中で、各教室ではどんな授業がされているのでしょうか。
柴田義松氏(東大)は「子どもと教師でつくる教育課程試案(日本標準)07/8発行」の中で、学校の教育課程に次の3つのレベルをあげています。
(1)国家的レベルの政治的・経済的・社会的要求(国ないし地域レベル)
(2)学校で教職員の合議により編成される教育課程(学校レベル)
(3)個々の教師が計画し、実施する教育課程(教室レベル)
教育行政がいろいろおろしてきても私たち自身がどのような実践をするのか、そこが問われているのは今も昔も同じではないでしょうか。今ある条件(もちろん、その条件を変えようとする教育運動も大切ですが)の中でもできることを探る熱意と、したたかさを持ちたいものです。
◇ その2 学力を考えよう
全国一斉学力テストは「国語と算数の学力の一部」を測りました。しかし、学力は国語や算数/数学、それもその中のごく一部の力に限定されるものではありません。国語と算数にしぼった繰り返し練習や学力テスト練習などはどう考えればいいのでしょうか。また、日々の授業で何を学ぶのかなど、もう一度見直してみる必要はないでしょうか。
さらに、少人数授業や習熟度別授業の是非の議論も終わったわけではありません。職場に若い人が増えてきていることも考えると「出口が決まっているから」と議論を避けるべきではないでしょう。
※梅原利夫氏(和光大)があげる「学力」の内容 「前掲書第2節」より
(1)学びを求める力 … 学びへの意欲
(2)学んでいく力 … 学びのプロセス
<わかる(理解)-できる(習熟)-使える力(応用)>
(3)学び合う力 … 学びのコミュニケーション<協力共同の学習>
(4)学び取った力 … 学びで獲得・定着した力
(5)次の学びにつなげる力 … 学びの応用
◇ その3 評価を考えよう
教育行政から指導要録に準じて通知票の形式統一の強制があります。一番の問題点は「観点別評価の導入」ではなかったでしょうか。「関心意欲態度」の評価を含めて観点別評価はほんとうに可能かという議論の決着は見られていません。
そもそも通知票に関しての規定はなにもありません。しかし、学校ごとに創意工夫した通知票作成ができない実態があります。(体裁については融通もきいてきましたが)そんな中で、観点別評価が浸透し、無批判に実施されている実態がないでしょうか。また、評価作業は業者作成の市販テストの点数振り分けというのが広く行われている実態をどう見ればいいのでしょうか。これら「学力と評価」の議論をタブー視してはならないと思います。
なお、文科省の中教審・教育課程部会等でも、「現行の観点別評価は、それぞれの観点の関係が分かちがたく、個々の観点ごとに評価することが困難」という意見が出ています。私は学校現場での議論のときに、管理職も含めて「本当に信念を持ってそう思っている」のか、「しょうがなく理由をつけて主張しているだけ」なのか、あいまいなことが多いように感じます。「物言わぬ教育現場」にならないようにしたいものです。
この夏の教研で実践的な学習を深めると同時に、これらの課題についても考える機会となれば幸いです。
※新指導要領情報
10月ごろに中教審の報告?
来年2月ごろに新指導要領告示か?
時間数は? 総合は? 学習内容は?
※市販テストの観点についておかしいことを「おかしい」と言えるのが教職員組合です!
受験勉強や試験勉強では、基本問題や応用問題、過去の問題や類題、または、予想問題の「練習」を大量にすることで短時間に素早く解答する訓練をします。もし、できない場合は問題練習の不足といわれるでしょう。
問題練習それ自体を否定する人はいません。
さて、次の問題を解けるようにするにはどんな学習をすればいいでしょう。
問題(1) 単位量あたりの大きさの考えを使ってくらべてみよう!これらの問題は、「速度=距離÷時間」という「知識」を記憶して、繰り返し練習によって解答の「技能」を身に付ければ解けるようになります。
速いのはどっちかな?
ア)50mを8秒で走る イ)60mを10秒で走る
問題(2) 750mを3分間で進む自転車の分速を求めましょう。
問題(3) 次の速さを求めましょう。
3000mを5分間で進んだ自動車の分速
問題(4) 270㎞を3時間で走る特急列車の時速は、何㎞ですか。
この「学力」はいったいなんでしょうか。その結果はどのように評価されるべきでしょうか。仮に算数の観点別評価の4観点に照らせばどんな観点の評価になるのでしょうか。
じつは、この4つの問題はそれぞれちがった業者の市販テストのものです。指定された評価の観点は次のようにすべて異なっています。このことを子どもや親に納得できる説明ができるでしょうか。私たちはこの矛盾を無批判に受け入れてしまってはいけないと思います。
問題(1) 明治図書-関心・意欲・態度
問題(2) 正進社-表現・処理
問題(3) 光文書院-知識・理解
問題(4) 教育同人-数学的な考え方
知恵を集め、力を集め、子どもを中心にして、
仲間と共に父母共同の学校つくりを進めよう!
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