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07年9月 3日(月)

教育全国署名京都集会地域共闘 教育研究

8月31日(金)、京都教育文化センターにて「教育全国署名をすすめる京都意志統一集会」が開かれました。
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三輪定宣氏(帝京平成大学教授、千葉大学名誉教授)講演

「教育の貧困・格差拡大と少人数学級・父母負担の軽減の意義」(要旨)

1.「教育再生」政策と教育予算
 47教育基本法は、教育の機会均等を含む教育条件を固有の教育的価値と見なし、教育行政が内容統制ではなく、条件整備を通じて教育の発展に寄与すべきことを方向付けた。
 一方、安倍内閣の「骨太の方針2007」では、教職員の差別・階層化とリストラを重点に据えるなど、教育内容に介入し、教育条件整備を軽視している。
 GDPに対する公財政支出の学校教育費の比率(03年度)は以下の通り。(単位は%)

日本3.5 イギリス5.1 フランス5.8 ドイツ4.4 アメリカ5.4 OECD平均5.2

 OECD29カ国で最低。仮に平均まで引き上げれば30人学級や高・大の無償化、専門学校・幼児教育の無償化、教材費・図書費の飛躍的増額、学校施設の大規模改修、小規模学校の充実と振興、社会教育施設の整備、家庭教育費補助などが可能である。

 教育予算の削減は経済発展にも影響を及ぼす。この5年間、1人当たりGDPは中国、インド、北米、中南米、ヨーロッパで軒並み1.5%以上の伸び率を示しているが、日本は1.0。債務残高は128.9→177.3(対GDP、%)と悪化の一方である。政府の教育努力度が相対的に極端に低いことは将来の発展を阻害する致命的な政策の立ち後れを意味する。大きな樹に不釣り合いな小さな根は木の生長を阻み、立ち枯れの原因になる。

 教材費の都道府県格差は94万円~652万円。図書費は17.8万円~67.2万円。
 修学援助の受給者急増(97年からの5年間で78万人→115万人)、国の補助率低下(同36.5%→23.7%)、支給格差(静岡県3.5%~大阪府23.9%)。
 耐震化率(07年)宮城・静岡・三重80%以上~長崎30%台。

 父母負担は1人あたり、高校(公立51.6万円、私立127.5万円)、大学(国立176.6万円、私立237.7万円)。多くの学生がアルバイトや耐乏生活で修学が形骸化。奨学金は成績で差別、貸与・有利子制。機会均等が骨抜きに。子ども1人の教育費は3,000万円~6,000万円。少子化の主因となっている。
 諸外国の学費は(年)北欧無償、フランス1.4万円、ドイツ1.6万円。イギリスやアメリカでは減免や給与奨学制度が充実。

2.2006年問題と無償教育・教育条件整備の意義 

66年に国連で採択された国際人権規約。批准国は151カ国(日本も79年に批准)。しかし政府は13条2項b,cに反対し、ルワンダ、マダガスカルと並んで留保。
 89年採択の子どもの権利条約は94年に批准(158番目)
 国際条約は、あらゆる段階の無償教育、奨学制度の拡充、教職員の物質的条件の改善を謳っている。国際人権規約13条b,c(中東・高等教育の無償)を留保し続ける日本政府に対し、国連は01年8月、「06年6月30日までに留保撤回」を迫った。(2006年問題)
 人類700万年の歴史の99.9%以上は無償教育。損得を超え、どの子にも分け隔てなく愛情や知恵を注ぎ、困難な子育てを可能とし、人類を進化させてきた。1966年に採択された国際人権規約は有償の教育を無償の教育に再び転換させ、未来に向かう人類の存亡にかかわる軌道修正であった。

 ILO/ユネスコの「教員の地位に関する勧告」では、教育条件として、教員の給与、教育系学生の無償・奨学金・財政的援助、学校建物・施設、教授・学習条件、教員の社会保障などを規定している。
 その3節で「教員の勤務条件は、効果的な学習を最大限促進し、かつ、教員がその職務に専念しうるようなもの」と定め、国家予算は、「教育の発展のために国民所得の適当な割合が優先的に確保されるものとする」としている。また、9節で「教員は価値ある専門家であるから、教員の仕事は、教員の時間と労力が浪費されないよう組織され援助されなければならない。」「学級規模は、教員が生徒一人ひとりに注意を払うことができるようなものでなければならない。」などと明記されている。
(この秋、ILO・ユネスコ調査団が「日本政府と全教によって求められた状況の調査をし、これまで位置づけられている問題の解決のための提案をすべての当事者に行うため」来日する。)

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