「来年度、深谷園児募集しない」
何故そんなに早く」保護者激怒
(9月11日付『洛南タイムス』)
城陽市教育委員会は、10日分庁舎で開いた公立幼推園保護者向け説明会で、「市立深谷幼稚園を平成22年度に廃園する」ことを前提に、「来年度の4歳児入園募集を行わない」考えを明らかにした。
突飛な方針表明に、会場の保護者から驚きと怒りの声が噴出、「絶対に認められない」と強く反発した。市教委は、今月26日午後2時から開く教育委員会で「廃園方針」を決定する。議会の意思確認については「全ての園児が居なくなる22年3月議会に、城陽市立幼稚園の設置及び管理に関する条例」改正案を提出する考えを示した。
同市教委は、今年3月13日の予算特別委員会で「市立幼稚園の運営に関する外部委員会」設置を表明。5月29日(木)に「城陽市公立幼稚園のあり方検討委員会(委員長・小寺正一兵庫教育大学特任教授=委員7人)をこっそり発足させた。
報道関係の求めもあり、6月18日の第2回以降は公開され、9月5日の第6回委員会で「深谷幼稚園を廃園し、富野幼稚園に統合すべき」との提言内容をまとめた。「提言書」は、保護者向け説明会の前日9日に、西尾雅之教育長に手渡されていた。
午前10持から開かれた保護者向け説明会には、深谷、富野両幼稚園の保護者ら90人プラス子ども10人が参加。教育委員会側は、中村範通教育部長が主に応じた。教委側が、経過説明を行ったのに対し、保護者がさらに具体的な説明を求めた。中村部長は、「提言をそのまま実行したい。深谷幼稚園で現在の4歳児はそのまま来年度も保育を行うが、来年度分新たに4歳児は募集しない」と発言。保護者席から「エーツ」というどよめきと「反対」の声が一斉に起こった。
保護者からは「検討委員会でも、保護者や現場の声を聞くべき、との意見が出ていた。意見を聞いてから決めるべきではないのか。いくら何でも無責任。2~3年の猶予が必要」との指摘があり、その後も同様意見が相次いだ。
これに対し中村部長は「市の活き生き改革プランで検討されてきたこと」「早すぎるとの指摘に対し、私も十分説明することは出来ない。決断を迫られた、喜んでの決断ではなく、廃園は苦渋の選択」と、市全体の大きな方針によるものであることを明かした。
中村部長は、廃園の見返りとして①補助教員の配置②預かり保育の枠拡大③駐車場の確保④特別支援教育の充実ーの4点を実施していく、との考えを示した。しかし「廃園の前にまず、園児数を増やす努力をすべき」との声にかき消された。また行革を前面に出した「廃園方針」に対し、「先に削るべき所があるのでは」と、市長をはじめ市職員の一流企業水準の高給与などにまずメスを入れるべきとの指摘もあった。
現実的な問題として「現在、深谷に4歳児が居る。年子の下の子を入園させたい。富野で定員の35人があふれたらどうなるのか。富野に行けても、兄弟で深谷と富野に分かれる」「私立の説明会に行ってきたが、申込が遅ければ2年保育のクラスに入れないかもしれないと言われた」など切実な声が上がり、どこの園にも入れない子どもが出てくる可能性も浮かび上がった。
城陽市が自ら要綱で決めている「休廃園基準」(2年続けて募集」で15人に達しなかった場合まず休園する)と の矛盾を突く声が上がった。中村部長は「社会情勢に合わないから要綱は廃止する」との考えを示した。
保護者側から、「来年度以降深谷幼稚園に入園を予定していた保護者への説明も行うべき」との要望が出され、中村部長は周知方法などで難色を示したが、市広報、ホームページなどで通知しながら実施する方向でまとまった。
保護者会側は、廃園反対署名を集めており、来週中にも橋本昭男市長らに提出を予定しているが、市教委の動きがすさまじく早いため、請願提出など議会への働きかけが間に合わない状況に追い込まれている。市教委は、きょう11日開かれる市議会福祉文教常任委員会に、廃園方針などを報告する。
深谷幼稚園4歳児の募集停止方針
突然の発表に保護者ら猛反発
(同日付『城南新報』)
「深谷幼稚園を廃園させ、富野幼稚園1園体制にすべき」と教育長の私的諮問機関・城陽市公立幼稚園のあり方検討委員会(委員長=小寺正一・兵庫教育大学特任教授)から提言書を受けた市教委は10日、寺田分庁舎別館で富野・深谷幼稚園の保護者を対象にした説明会を開き、本来なら10月に行われる深谷幼稚園4歳児の入園募集を取り止める方針を初めて明かした。募集受付間近の突然の発表に集まった約80人の保護者らは猛反発。涙ぐんで「納得できない」と訴える母親の姿も見られ、唐突過ぎる市教委の計画性のなさを非難する声が相次いだ。
首長間の感情のぶつかり合いで地元の市町合併議論は民意を問うことなく頓挫。一般家庭での預金にあたる財政調整基金がほぼ底を突くなど危機的財政状況に陥っている城陽市は『活き生き改革プラン』の名のもとに、市民に対して“痛み”を求めながらギリギリの市政運営を余儀なくされている。
公立幼稚園統廃合間題もそのひとつ。少子化による幼児の減少、さらには共働き家庭が増え保育所への入所を希望する社会的風潮もあるが、築34年が経過し老朽化が進む深谷幼稚園舎の大規模改造工事・耐震化にかかる事業費8400万円(うち国庫補助見込み額2600万円)や民間より高いと言われる幼稚園教諭の人件費など運営費を支出し続けるには、今の財政状況では持ちこたえられないことが、今回の深谷幼稚園廃園への大きな要因となったようだ。
保護者らは、これら我がまちの台所事情については概ね理解しつつも本来、一番最後に手がつけられるはずの教育面に行革のメスが入れられようとしていること、今年5月に検討委員会が立ち上げられ、今月9日の『深谷幼廃園』提言後、あと1カ月もない10月1日からの4歳児入園募集停止がいきなり発表されたことに怒りを隠し切れない様子。午前10時から始まったこの日の説明会は午後1時ごろまで3時間びっしりと市教委の姿勢を問い、深谷幼稚園の存続を求める保護者らの切実な訴えが続いた。
前日(9日)に提言書を受け、臨時の教育委員会でも来年度から深谷幼稚園4歳児の募集を停止することについて了承を受けた市教委の中村範通教育部長らは、説明会に集まった公立幼稚園の保護者に対し、初めて公の場で来年度、深谷幼稚園では5歳児のみの保育になることを報告。
保護者からは「え~」「おかしい]「納得いかない」など悲痛な叫びの声が上がり、「教育が充実していると聞き、宇治市から引っ越してきたが今回の対応はひどすぎる」「財政が厳しいのは分かるが、職員の人件費などもっと削れるところがあるでしょう」と市の方針決心に対して非難の声がとどまることなく相次いだ。
中村部長は「市は教育育面だけでなく、いろんなところで改革を進めている。現に私たちの給与もカットされている」と発言。ただ、1ヵ月も猶予がない段階での入園募集停止発表に対しては「上の子が今度、深谷幼稚園の5歳児に進級する。年子の下の子は来年から深谷幼稚園に入ることを楽しみにしている。私はもう、どうしたら良いのか分からない。富野と深谷に一人ずつ送り迎えするのは無理」と涙ながらに訴える保護者の姿もあり、切迫したスケジュールでの行政対応に疑問を投げかける意見が続いた。
結局、話し合いは平行線のままで再度、日程を調整して説明会を開くことに…。きよう11日に開かれる福祉文教常任委員会(寺地永委員長)でも同様の報告がされることになる。が、園児の募集停止は議決事項でないため、最終決定は26日の定例教育委員会に委ねられることになる。
富野・深谷幼稚園の保護者会有志は現在、廃園反対の署名活動を続けており、要望書を添えて今月中旬に橋本昭男市長と西尾雅之教育長宛に提出する予定。ただ、最終決定権が市教育委員会であることが明らかになったため、安宅公男教育委員長にも同様の深谷幼稚園存続要望を提出することも検討するという。