宇治市教委定例会
宇治市教育委員会(八木八重子委員長)の定例会が19日、市役所で開かれ、宇治小学校敷地=五ケ庄三番割=で2012年4月の開校を目指す(仮)第一小中一貫校整備に係る基本構想(図参照)を全会一致で可決した。

基本構想は昨年11月に示された基本構想検討素案A・B・C案のうち、A案をベースにしたもので、地域からの意見を踏まえ、宇治病院側の校舎を4階建てから3階建てに変更したほか、敷地東側で住宅に隣接していた校舎をセットバック。きょう20日に市議会の文教福祉常任委員会に報告した後、22日には保護者・地域説明会を開催、来月に基本設計案を作成し、3月末に基本設計を策定するスケジュールで進める。
基本構想は『交流ホール』を中心とした配置で、メーングラウンドと体育館、交流ホールをつなぐ『スポーツストリート』を設ける。正門から校舎に至る空間は『まなびのみち』として整備。校舎は屋上プール、更衣室を除き3階までに抑え、周辺への圧迫感を軽減した。
特に地域意見で配慮を求められた宇治病院の病室からの景色について、病院に隣接している校舎を全て4階建てから3階建てに改め、平行する校舎を病院から遠ざけるように再配置して病院との間にスペースを確保。東側の住宅地際まで張り出した校舎はセットバックすることで威圧感を抑えた。
グラウンドはメーン、サブの2つを設け、体育館も2つ建設。いこいの園、多目的スペース、メディアセンター、地域・歴史資料室なども整備する。
小中一貫校の基本コンセプトは「小学校と中学校のきずな」「地域と学校の連携」「歴史や周辺環境との調和・共生」でテーマは『「きずな」で育む、9年間のまなびの場」。学級担任制の『前期』(小1~4)、教科担任制への移行期となる『中期』(小5~中1)、主体的・発展的な学習環境となる『後期』(中2~3)のまとまりで考えて教室を配置し、義務教育9年間における一人の子どもの成長を全員で責任を持って見守り、対応していく。
委員からは保護者、地域、一部教師が反対活動をしている点に関して「子供がのびのび過ごせるか。中学校の部活が支障なくできるかの確認だけで充分」「必要な面積は確保できている。教師から『先進地を訪れイメージができ、これならやれると思った』という報告もあったが、その辺を反対している地域、保護者、教師に具体的に説明してほしい」「反対する教師には新しい教育に挑戦するという意識が大事」などと意見。八木委員長は「今後とも色々な形で知恵を絞り、工夫して事務局が一体となって教育ルネサンスが始まることを期待している」と全会一致での可決を踏まえて挨拶した。
なお、基本構想について市教委は「視覚的にイメージしたものであり、今後の基本設計、実施設計の中で必要な変更を加えていく」としており、基本構想図面が完成図ではないことも記した。
(1月20日付『城南新報』)
【コメント】
京都府教委の「平成21年度教職員人事異動方針」では以下のように定められています。
原則として同一校在職3年以上の者は異動の対象とするものとし、特に下記の者については積極的に異動を推進する。
- (ア)同一校長期在職者(小学校にあっては同一校在職6年以上の者、中学校および府立学校あっては同一校在職10年以上の者)
- (イ)新規採用以来同一校に在職する者
子どもたちに窮屈な思いをさせてまで実施する小中一貫校の「売り」は「9年間を通して一人の子どもの成長を全員で責任を持って見守り、対応していく」ということらしいですが、上の方針に沿って人事異動がすすめられれば、小学校に入学したときにいた先生は中学校に入学する頃には誰もいないということになるわけなんです。
また、1000人規模の学校になってしまうと、同じ学校の中でも名前も知らない子どもがたくさんいる、という状況が想像できるのですが、どうなんでしょうか。スーパーマン的存在の先生ならいざ知らず、いわゆる普通の先生が一度に抱え込める人数は高々知れているというべきです。ましてや昨今の困難な学校の状況を知る者からすれば、今の現状をどう乗り切るかで精一杯なのに、さらに「新しい教育に挑戦するという意識」を持てというのは酷な注文と言わざるを得ません。教育委員の方々にはもっと現場の実態を知ってもらいたいです。
市長にしても「一部教師が楽をしたいから反対している」と批判しましたが、そう言って批判することはたやすいことです。できたあとの責任は現場にかぶさってきます。
御蔵山小 通学区域変更へ
児童増に対応
宇治市教委は昨年2月に発表した第1次NEXUSプラン実施方針の変更についても19日の定例会に報告。人口急増による児童増加で10年度以降、31学級以上の過大規模校になる御蔵山小について通学区域の変更を実施することを明らかにした。
児童の将来推計によると、学級数は10年度・11年度が『31』、12年度から3年間は『33』を見込む。プラス・マイナス5人で学級数が増減する学年もあり、14年度では学級数の範囲を32~35学級としており、保有教室『30』から大幅に不足することになる。
どの地域をいつから他の小学校区に編入するのかなど具体的な通学区域の変更方法、スケジュールについては検討中。市教委では「できるだけ早くしたい」と述べた。
(1月20日付『城南新報』)
【コメント】
要するに市教委の児童数推計が甘かったということですが、その推計に基づいて毎年校舎の建て増しでやり過ごしてきた、いよいよ自分たちが決めた「30学級」を超えそうだというので慌ててるという構図が浮かんでくるのですが、どうなんでしょうか。今後、近い将来のピークを乗り越えれば新築は必要なしとの判断で校区変更を出してきているようですが、その推計も正しいのでしょうか。もっとも、未来のことは誰も分からないと言われればそれまでですけど。