みんなで、どの子も大切にされる教育を教育研究 小中一貫教育
教育のつどい2009 分科会でのリポートから
(8月29日付「しんぶん赤旗」)
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「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2009」(実行委員会主催)が21日―23日の3日間、東京都内で開かれました。
「どの子も大切にされる教育を」「貧困と格差拡大から子どもと教育を守ろう」と、28の分科会では、各地からのリポートをもとに熱心な討論が続きました。二つのリポートを紹介します。
問題山積の小中一貫校計画 京都・宇治
「今日の教育改革―その焦点と課題」分科会で、「こんな狭い敷地に小中一貫校?」と題して報告したのは、京都・宇治久世教職員組合の田中正浩さんです。校舎建て替え計画が、いつの間にか、コスト削減が狙いの市内最初の小中一貫校計画にすり替えられてしまった経過と、その問題点について語りました。
校舎建て替えの願いを逆手に…
児童数800人余り、学級数26学級の宇治小学校。市内で最も古い3階建て校舎が南北2棟ある小学校です。南校舎のトイレは1階に1カ所あるだけで、子どもたちが集中する状況もみられるといいます。
2006年に行われた耐震強度調査の結果、耐震性は市内最低、震度5程度の地震で倒壊するとわかりました。大変衝撃的でしたが、「これで早期に新しい校舎に建て替えてもらえる」という期待が、保護者や地域全体にわきあがります。
ところが同市教育委員会は07年11月、小中一貫教育と学校規模等適正化の方向を示すとする「NEXUSプラン」を策定。その推進のために宇治小学校敷地に12年度開校をめざし、「(仮)第一小中一貫校」をつくる計画を打ち出したのです。
「考える会」結成 署名も1万こす
田中さんは話します。「今回の計画は形の上では、地域からの要望(08年1月)に応えるという形となっています。しかし、小中一貫校がどういうものかはっきりしない中での『要望』でした。08年6月の市教委発行『第一小中一貫校だより』では、具体的内容についての問いに、『現時点においてはお示しできるものがございません』とするばかりでした」
08年、保護者や地域住民、教職員などで、「地域懇談会」を繰り返し、「宇治小『小中一貫校』を考える会」を立ち上げます。同会が取り組んだ要望署名は1万1000筆を超えました。田中さんは、「要望は、一貫校の計画を取りやめ、単独の小学校として建て替えること、地域に中学校を新設すること。老朽化した校舎やマンモス中学校を放置してきた市に対し立ち遅れた教育環境の改善を求める内容」と話します。
40人学級前提の教室数では…
計画の何が問題なのか。田中さんは、保護者・地域の声を掲載した「考える会ニュース」などを示します。
「小学校の狭い敷地にムリヤリ小学校と中学校を押し込んだ計画」「宇治市の中学で一番狭いグラウンド。一人あたりの面積は約8平方㍍(宇治市の中学校の平均は約24平方㍍)」「児童・生徒1034人を押し込める計画」「40人学級が前提の教室数。30人学級になれば教室不足に」「日当たり最悪、おとなの目も届きにくい遊具スペース。隣接する病院との隙間はわずか数㍍」「開校時は中学1年生のみ。中学校ではクラブが青春。1期生、2期生はかわいそう」…
建設予算が最終決定されるのは、10年3月市議会。「中学校を新設するよりコスト削減だという本音を隠し、『先進的な教育』をするようにみせかけながら、狭い敷地に1000人以上の6歳から15歳の子どもを押し込める計画でいいのか」などの声が上がっています。
田中さんは、小中一貫校は、十分な施設でもってしても、デメリットの多さが指摘されています。保護者・地域などの本当の要望を最大限に聞く努力をするべきだと思います」と話しました。
(中東久直)