
宇治市教委 御蔵山小の校区変更
木幡小への転校は希望者のみ
在校生ら御蔵山小で卒業可能に
未就学児 兄・姉が通う学校に通学
(9月6日付『城南新報』より)
宇治市立御蔵山小学校の通学区域(校区)変更方針で市教委は5日、対象エリアに居住する在校生と兄・姉が御蔵山小に通っている未就学児に限り、希望すれば卒業まで御蔵山小に通学できる経過措置を実施する――と同校での地域説明会で明らかにした。市教委は来年4月、『木幡北平尾』『北御蔵山』『中御蔵山』『金草原』の各自治会・町内会エリアに居住する新5年生(現4年生)以下を対象に木幡小へ通学区域を変更することにしていたが、児童の心理的負担を考慮した。最大150人(来年度)が経過措置対象で、市教委は来月中旬に対象世帯に御蔵山小か、木幡小のどちらに通学するかを尋ねる希望調書を選択制の新6年生と同時に発送する。
御蔵山小の児童急増に伴い、過大規模校(31学級以上)になると教育活動に支障が出る―と考えた市教委は今年2月、通学区域変更の対象エリアを発表し、保護者や地域住民への説明会を実施してきたが、理解を得られる状況には至っていない。
保護者や住民の反応、市議会での指摘などを総合的に判断するなか、市教委は先月の市議会文教福祉常任委で「実施時期、対象児童・地域といった基本部分は原案のままお願いしたい」と方針を堅持しつつ、児童の転校による心理的負担の軽減、兄・姉と別々の学校に通う事態を避けるための経過措
置について検討を重ねてきた。
約50人が集まった説明会で栢木教育部長は「保護者の意見、地域の思いを重く受け止め、議会の意見も踏まえる中、経過措置を取る」と挨拶。具体的には来年3月31日現在で対象地域に居住し、今年度に御蔵山小において学年の課程を修了した児童については、希望により卒業まで御蔵山小に通うことができるようにした。
対象地域に居住する現在の1年生から4年生の136人には10月中旬に希望調書を送付し、希望小学校への通学を許可。一旦、決めた判断の変更はできず、対象地域から引っ越して対象地域外に出た場合は特例措置の資格を失う。
新1年生については原則、木幡小に通学してもらうが、兄・姉が御蔵山小に通っている14人(来年度のケース)については希望があれば御蔵山小への通学を認める。現在の幼保年中組以下に関しても同様の措置を取るため、御蔵山小に在籍している兄・姉がいる限り、入学予定の前年度に希望調書を取る。対象地域では低学年が1人で登下校することもあるため、人的配置を行うことで安全確保を図るほか、新1年生を対象にした説明会を今月末から来月上旬に開く。
また、対象地域に引っ越してくるケースでは来年3月末までに御蔵山小に通い、各学年の課程を修了した者のみが経過措置の対象とし、それ以外は木幡小に通学してもらう。
この結果、来年度の場合、仮に対象地域の在校生136人全員と新1年生のうち兄姉がいる児童14人全員が御蔵山小を希望した場合、対応を図るが、11年度には29学級に減少する推計を立てている。
今後、対象地域から木幡小に通う児童のため、保護者らと一緒に通学路フィールドワークを来月下旬から11月中旬にかけて実施。通学路を最終決定するほか、修繕など対応ができるものについては対応していく。
地域、未就学児親は反発
地域住民からは「35学級でも保護者は納得してくれる。学区変更は絶対に反対」「将来のビジョンがない」などと反対意見が続出。市教委は「なんとか増築で対応できないか、熟慮に熟慮の上で変更をお願いしている。今、判断しないと将来に禍根を残す。どの学校でも同程度の教育環境を整えたい」と理解を求め、島田美知子御蔵山小校長も学習発表会、林間学校、体育、習熟度別授業など学校運営に大きな支障が生じていることを紹介した。
参加者は「経過措置によって地域が分断される。市教委が言ってきたことと違う」と指摘し、市教委は「当初の案では分断はなかった。様々な意見を聞く中、精神的な負担を減らすことにした」と答えた。
このほか「これから入学する子供のことも考えて」「今、対象地域に居住している世帯の子供は全部希望調書に」などと意見。市教委は「友達を引き離すことの子供への負担感を解消できればという経過措置。公立学校の中で選択制は考えていない」と理解を求めた。
最後に栢木教育部長は「保護者と地域の思いは相反する。経過措置は市教委としてギリギリの判断をした。今後も個別具体的な話は進めるが、並行して就学に関わっての事務などの準備行為について間に合わないので進めさせてもらう」と話し、方針の撤回や見直しは行わず、規則改正など諸準備に取り掛かることを説明した。
在校児、通学区域変更対象から外す
宇治市教委、御蔵山小校区変更で経過措置
姉妹の分散通学に配慮、同様の措置
臨時教育委に対応策示す 午後開催の地元説明会に報告

(9月6日付『洛南タイムス』より)
宇治市教委は5日午前8時から臨時教育委員会を開いて、来年4月から実施することを決めている御蔵山小学校の通学区域変更について、一部変更することを報告、了解を求めた。2月の方針決定では、対象地域の木幡北平尾、北御蔵山など4自治会については、6年生以外の在校児童は、隣接の木幡小に転校することで御蔵山小の過大規模校化を緩和する考えを示し、この間、保護者や地域説明会を重ねてきたが、対象地域に居住する在校児童は10月中旬に送付する希望調書で希望すれば卒業まで御蔵山小に通学できる指定校変更が可能な経過措置を設けた。来年4月からの新入児のみが、木幡小への区域変更対象になるが、姉妹が2校に分散通学する事を避けるため、在校児童の下に就学前児童がいる場合にも同様の経過措置の対象とした。
当初の予定では、来年度の木幡小への転校児童数は当該4地域で127人だったが、今回の経過措置適用によって、姉妹関係者を除いた木幡小への入学対象となる就学前児童の数としては、市教委は50人とみている。
教育委員会では、経過措置を取ることで御蔵山小の教室など施設面での対応が可能かどうかなどの質問が委員からあり、当初案だと来春は27学級編成を見込んでいたのが、31学級編成(通学区域変更を実施しない場合は32学級)となり、「緩やかなペースで児童数の減少が見込めることになる」と伝えた。
市教委は、新たに経過措置を設けたことを同日午後に御蔵山小で開かれた保護者、地域説明会の冒頭に説明するとともに、受け入れ側となる木幡小の施設整備計画の概要についても資料で説明した。
2月から行ってきた説明会では、「方針決定から実施までの期間が短かすぎる。計画の変更を」「子どもの気持ちを考えない変更計画。白紙撤回すべきだ」などの反対意見が相次ぎ、地元理解を得て来年度実施に移すタイムリミットが迫る中、今回の経過措置を設定して、改めて説明会を持った。
市教委 「早急に準備行為に入る」と明言
保護者や地域住民への説明会で
怒りや不満の声挙がるも、一応の決着
新たに在校生への経過措置を設けたことを受け、宇治市教委は5日午後、御蔵山小で保護者や地域住民に対し、通学区域変更の説明会を開いた。参加者約50人の中からはこれまで同様、方針変更を求める声などが出たが、市教委は「この内容で、早急に準備行為に入らしていただく」と明言し、方針の決定を示した。
市教委は「これまで保護者や地域、議会などから様々な意見をいただいた。それを踏まえ、ギリギリの選択として経過措置を設けた」と説明した。
参加者からは、これまでと同様、通学路の安全性や白紙撤回の可能性などについて質問が飛んだ。また、「校区変更は地域の文化やコミュニティーを破壊する行為」などと怒りや不満の声も相次いだ。
市教委は「将来を考えれば、今の状況を放置しておくことはできない」とし、「すべての問題がクリアできるとは思っていない。しかし、子どもの教育責任を果たすためには、早急に決定して動きたい」と方針を譲らない姿勢を示した。
参加者のひとりは、この日同席した島田美知子校長に学校の現状を質問した。島田校長は、児童数の多さに伴う運動会や学習発表会などの行事の大変さ、少人数教育などの難しさを説明した上で、「学級が増えようとも、校長としては責任を持ってやりたい。だが、今の状況から考えると本当にどうなるんだろうか、という思いはある」と見解を示した。
このほか、市教委に怒りをぶつける参加者に対し、他の参加者から「みんな、個別の感情ばかりを言っている。町内会などの単位でまとまった意見を言うベき」と、逆の憤りの声も挙がった。
最後は、参加者の質問が途絶えたことで、栢木教育部長があいさつ。「個別の具体的な話し合いは続けていくが、来年度4月からの変更に間に合わせたいので、並行して、準備行為は進めさせていただく」ときっぱり語り、一応の決着がついたかたちとなった。
市教委は10月中にも、経過措置の対象となる在校生(現1~4年生)と兄弟が在校している新1年生の計150人に対し、どちらの学校を選択するか希望調書を送付する。
【本好治央】