宇治市議会文福常任委 宇治小の小中一貫校
市教委の対応、答弁不十分で
(10月2日付『城南新報』)
宇治市議会の文教福祉常任委員会(堀明人委員長)が1日に開かれ、9月定例会に『未来に輝く新しい宇治小を創ろう会』(大下由起恵代表)が提出した『(仮称)第一小中一貫校の敷地面積拡大についての請願』を審査し、答弁不十分などから民主、社会議員団が継続審査を主張した結果、全会一致で「閉会中の継続審査」となった。
市教委が年内をメドに実施設計をまとめる方針のため、それまでには結論を出す予定。この間、与党第一党の民主・平田研一委員が「敷地、運動場が狭いと認めた上で議論を」などと再三指摘しており、市教委の今後の対応如何によってはスケジュールや計画内容の変更を余儀なくされる可能性もある。
宇治小敷地で計画中の小中一貫校は2012年4月の開校を目指す。来年度から2カ年をかけて建設するべく、現在は基本設計に沿って実施設計を進めている。
請願は「小中一貫校規模のグラウンド面積は文科省の設置基準で小学校6830平方㍍、中学校4170平方㍍必要とあり、合計1万1540平方㍍必要なはずが、基本設計では8400平方㍍しかない。市教委は同題ない」と説明しているが、小・中学生の学習活動の違いや狭いグラウンドで休み時間・放課後に体格の大きく異なる子供たちが一緒に過ごすことの危険性を考慮していない。1万1540平方㍍のグラウンド用地の確保を」と1412人分の署名を添えて求めた。
委員会では帆足慶子委員(共産)が参考人招致を求め、全会一致で決定。堀委員長から請願趣旨の率直な思いを聞かれた同会代表の大下参考人は「敷地面積には以前から疑問の声があった。子供も教師も地域住民も安全面で不安を感じている。安全で安心できる敷地を確保してほしい」と訴えた。
帆足委員は現状のグラウンド使用状況を尋ね、大下参考人は「使う場所が分けられており、鬼ごっこでもぶつかりそうになる。また、中学生の男子が女子にぶつかって脳しんとうを起こしたことを聞いた。中学生が小学生にぶつかると大ケガになる」と説明。浅井厚徳委員(無会派)は「具体的に、どう敷地を拡大してほしいのか」と聞き、大下参考人は「宇治小の隣接に広げるのが無理で黄檗公園を利用するなら学校周辺の駐車場、茶畑、農園を使って」と要望した。
請願に対して栢木教育部長は「基本設計でメーングラウンド8400平方㍍、サブグラウンド950平方㍍、遊具スペースで760平方㍍の合わせて1万110平方㍍を確保する。支障なく教育活動ができる」と保護者の心安は杞憂であることを伝えた。
浅見健二委員(社会議員団)は「地域の社会教育団体の利用も今まで通りできるのか。全国の小中一貫校ではグフウンドが2つあるところが多い」と指摘し、山下小中一貫教育課長は「社会教育団体の活動は今まで通りは難しい。時間的設定など工夫が必要」と答え、栢木部長は「グラウンドが1つのところもあり、今の状況で支障なく教育活動ができると確信している」と答弁。浅井委員は「黄檗公園の活用を考えられないのか」と尋ね、山下課長は「各中学校では公共施設を活用して部活をしており、十分に考えられる」と答えた。
平田委員は「請願が不採択になると、一件落着と思うのか」と聞き、石田肇教育長は「他校より恵まれた地理的条件を生かし、地域の教育環境の資源をフルに活用した教育活動を展開すると一般質問で答弁したが、それは請願如何に関わらずに取り組む」と約束した。平田委員は「グラウンドは他校と比べて必要面積に足りているのか」と尋ね、山下課長は「子供の状況を踏まえ、教育環境向上を引き続き検討する」と答弁。平田委員は「黄檗公園利用にしても検討して駄目だったら困る。その担保は」と求め、石田教育長は「答弁は思いつきでなく、市教委の考え」と述べ、平田委員は「狭いと認識しているから色々考えてくれると思う。教育長をもう一度信じる」と請願採決までの猶予期間を与え、今後の市教委の動きを注視する姿勢を伝えた。
採決では答弁の不十分もあり、民主2委員、社会議員団1委員が継続を主張した。他の委員は採決意向だったが、継続意見を尊重し、最終的には全会一致で「閉会中の継続審査」と決定。堀委員長は「9月議会に採決するのは事実上難しいが、できるだけ早い段階で採決したい」と9月議会閉会後の本会議までに結論を出す考えを示した。
なお、文福委では4分割した小学校コンピュータの財産取得4議案の審議も行われ、先の議会運営委員会で落札率97.32~99.95%の高止まりを指摘する声がある中、この日も入札方法について質疑が行われたが、最終的には全会一致で可決した。
「審議尽くせず」と継続審査
宇治市会文教福祉委 小中一貫校のグラウンド面積拡大請願
請願人保護者が意見陳述 署名、請願に到った思いなど発言
(10月2日付『洛南タイムス』)
宇治市議会文教福祉常任委員会(堀明人委員長)が1日開かれ、宇治小に24年度開設の市内初の小中一貫校で、グラウンド面積の拡大を求めて、同校保護者らで構成する「未来に輝く新しい宇治小を創ろう会」(大下由起恵代表ら)から1412人の賛同署名を添えて提出のあった請願を審査した。委員会では、請願者の大下さんを参考人として招致。請願提出に至った保護者の思いを陳述してもらったあと、委員会審議に入り、各委員が請願内容のグラウンド面積のあり方を中心に、市教委に答弁を求めた。質疑後、市教委答弁も含め審議が尽くされていない、との判断から採決で継続審査と決め、改めて委員会審議することにした。
同会は8月上旬に発足、文部科学省の定める小学校と中学校のグラウンド面積の設置基準の合計面積となる1万1540平方㍍の確保を求めている。市教委は建設に向けた年内の実施設計の取りまとめを急いでいるが、基本設計で示した同面積はメインやサブグラウンドなどをあわせて1万110平方㍍。実施設計では、多少面積が前後するとみているが「小中一貫校であっても、運動場を小中学生が共有するものであれば、教育活動に支障がなければ、小中どちらかの設置基準を満たしておればよいというのが文科省の回答」と、市教委は設置基準をクリアしているとの判断を示している。
請願では、「部活動に必要なテニスコートなども同規模の中学校と同じ程度に確保されていない。この面積では充分な教育活動も安全性も保障されない」とし、拡大を請願で求めたものだが、この日の答弁でも立地条件上、用地取得などで現有敷地を広げるのは困難と伝えた。スペースの狭さから、一部施設を地下構造としていることで、請願者は災害時対応の危険性や地域スポーツ団体へのグラウンド開放も制限されると危惧している。
委員会で大下さんは「以前から面積には疑問を抱いていた。安全面でも不安。鬼ごっこなども存分に出来ず、人気のビオトープがどうなるかと、子ども達も心配している。中学生といっしょとなると伸び伸びした活動ができるかとの不安の声も聞いている。黄檗公園のグラウンドが借りられるならといった思いもある」などと、質問に答えた。
参考人質疑のあと、栢木教育部長が一貫校で目指す学校づくりと「今後も、教育環境をさらに向上させる手立てがないかを十分検討する」と意見を述べ、各委員が市教委に質問した。
浅見委員(社会)は「私が知る限り、大きなグラウンドを2つ確保しているケースが一貫校の場合、多いように思う」と指摘。市教委答弁を踏まえ、グラウンドの地域住民への開放について、懸念を改めて厳しく指摘した。浅井委員(無所属)は「子どもや親の不安を払拭し、新しい学校ができてよかったという準備を早く整えてもらいたい」と求め、帆足委員(共産)は同校の敷地の一部が風致地区に掛かっていることで、「緑化率はどの程度確保できるのか」と質問したが、市教委は「府と調整中」とした。
宇治小校区の議員でもある平田委員(民主)は「当たり前の保護者不安が請願として出てきた」と発言。請願の重みについて質すとともに、「もし、請願が不採択となれば市教委のスタンスはどうなるのか」と質疑。石田教育長は「教育環境をさらに向上させる手立てを十分検討していくというのは、市教委としての考え方である」と言明。「教育長をもう一度信じる」として、同委員は質問を打ち切った。