府教委「30人程度学級」等(まなび教育推進プラン中間案)に対する見解
2007年10月10日
京都教職員組合執行委員会
 府教委田原教育長は、9月26日の府議会答弁で、「学校の様々な状況に、効果的に対応できるよう、積極的に検討していきたい」として、「府内の全小中学校の学級規模を30人程度で編制できるよう検討する」「08年度から必要な教員数を計画的に確保する」とし、全小中学校で「1学級30人程度」へ踏み出すとしました。また、10月1日に、府教委は、府会に対し、「まなび教育推進プラン中間案」を公表し、3日には京教組に対する説明を行いました。その中で府教委は、「子どものための京都式少人数教育」について、「40人学級編制基準の下で、中規模・大規模校では、学校全体に少人数教育の効果が行きわたりきらないという状況がある。一層の充実を図ることが必要」とし、「学級の規模について」「今日的諸条件の下においては、30人程度をベースとする規模とすることが望まれる」としました。また、「専科教員の配置」について、「小学校高学年児童への専門的な指導を充実し、小中学校間の接続や連携を円滑にするために効果的。京都式少人数教育のための人員活用の一選択肢として設定することもできる」としました。
 これらは、全体として、この間の府民的要求と運動の中で粘り強く世論を構築し、府議会に繰り返し請願を行い、府教委に迫ってきた到達点であり、「30人学級」実現などへの道を開いた重要な前進的内容です。しかし、裏づけとなる予算の確保についてはこれからです。従来の「少人数加配」分はあるものの、文字通りの「30人学級」を実現するためには独自の予算が必要(※注)であり、府・府教委に対する運動に全力をあげることが求められています。
 一方で、府教委は、「全小中学校に30人程度学級を広げる」としながらも、あくまでも「中間案」では「市町村教委と学校の裁量の幅を広げる措置」であり、「市町村教委に、30人程度の学級編制が可能な人員を確保するよう年次的に充実」「配当された教員を市町村教委の裁量で配置できる」ものとするなど、あくまでも、30人程度学級設置の方策選択も、該当学校・学年の指定についても、その判断は市町村教委の判断としています。また、2学級以上の学級編制では、「30人程度の学級編制を旨とし、過度に小規模な学級が生じないよう十分配慮する」ともしています。「無条件、一律の30人標準の学級編制」とはなっていません。また、「30人程度」には幅があり、「予算が今後確定していくもので、教委ごとの自主的判断にもとづくので、『程度』とした」(府教委10月3日説明)ともしました。学校ごと、地教委ごとに実施において格差が発生する恐れもあり、「ひとしく30人を標準とする学級編成」に近づける努力が府教委・地教委に求められています。
 また「中間案」は、「低学年の児童の学習習慣の定着」には「複数指導」で、「学級学年経営の安定」「特段の配慮を要する児童生徒への対応」を「少人数学級と複数指導」で、「学力が低位な児童生徒への対応」を「少人数授業と複数指導」で、「課題のある教科、伸ばしたい教科の指導充実」を「少人数授業と専科教員配置」で、「中学校での希望進路の実現」は「少人数授業」で、等と指導方法・指導体制の選択基準を提示しています。あくまで、「例示」としましたが、「選択基準」に市町村での申請が拘束されて、せまい適用となることは本末転倒です。同時に、「施策の実施結果を分析」「効果的な取組を普及したり課題を明らかにして改善するシステム作り」とも述べており、少人数学級を選択した学級・学校・地教委に対し、過度な報告を求めたり、研究指定を行うことによって、負担を増やすことになれば、逆効果です。
 府教委は、「11月期にパブリックコメントを行い、12月に最終案をまとめ、予算確保をめざしていきたい」としており、私たちは、すべての小中学校での30人学級が設置できる条件をひらいたことを足がかりに、その実現を強く求めるものです。
 また、専科教育は新たな必要性を求める議論をふまえた打ち出しであり、はじめて「学び教育推進プラン」に盛り込む方向を打ち出したことは重要です。これは、国の第3次定数改善計画以来実施されてきたものを、府教委が実施してこなかったことに対して、私たちが要求してきたものです。今回の「専科教員の配置」は極めて部分的で不十分なニュアンスが強く、中学校教員のいわゆる「連携的な配置」でなく、文字通りの定数増によって配置されることを求めていきます。
 
 いずれにしても、府民・父母・教職員の運動で、新たな局面を開きました。
 私たちは、すべての学校で30人学級を無条件・一律に実現することが、すべての子どもたちに等しく豊かな教育条件をひらくことになるという立場から、いっそうの運動を広げる決意です。
 いま、国にも新たな動向が生まれているもとで、国の定数改善計画を確立すること、国の責任で30人学級を標準とする学級編成基準を実現すること、府・府教委に対し、文字通りの「30人学級」実現のための予算要求を強めることが重要な局面です。今年度の教育全国署名の重要性はかつてなく高まっています。同時に、すべての30人以上の学級のある学校から、教職員の配置を求め、地教委との合意を広げることを当面の重点として、全力をあげましよう。
以上
※注) 2005年調査では、(1)30人学級に必要な人数は1504人/府内・京都市小1〜中3まで全校の場合、(2)35人学級では、795人/同条件。2007年度の「京の子ども…少人数教育推進費」での配置(国)は753人)